神の宿る山、甘南備山 その魅力とは?

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京都府
神の宿る山、甘南備山 その魅力とは?

この記事の取材は、その時点の環境下で推奨されていた新型コロナウイルス感染症対策(マスク着用など)のもと実施しました。

おはようございます。朝はや記者中村です。
私は今、京都の南、京田辺市の甘南備(かんなび)山へ取材に来ています。
実はこの甘南備山、住宅街の端の我家の裏から、ずっ~と繋がっておりまして。
それは、まるで我家の“裏山的”な存在のお山なのです。
たった221mの小さなお山ですが、幼稚園のお散歩コースであったり、ハイキングコースであったりと、市民にとっても身近な存在のお山。
今日は、甘南備山の魅力を裏山目線で、たっぷりとお届け出来たらな~と思います。

いざ、甘南備山へ

人、人、人、いつもはのどかな田園風景にぞろぞろと人の筋が出来ています。
あけましておめでとうございます。
毎年1月3日は、昭和34年から続く京田辺市の伝統行事『新春甘南備山初登り』が開催される日なのです。

甘南備山は、神の宿る山=かんなび、と呼ばれ古くからこの辺りの人々に信仰され親しまれてきました。
そして何より、かつて平安京が定められる時、甘南備山と京都市内の船岡山を結ぶ直線上に平安京の中心、朱雀大路がおかれました。
また、諸説ありますが、『竹取物語』の発祥の地とも考えられています。
田園風景の先に、登山口がありました。
登山口から山頂へは、舗装された管理道路がありとても歩きやすいのです。
みなさん、おしゃべりを楽しみながら、のんびりと登って行かれます。
でも!今日は裏山目線なので管理道路は使いませんよ~。

旧登山道へ入ります

先ほどの賑やかな感じは何処へ?
急にしぃんと静寂に包まれ、聞こえてくるのは鳥の鳴き声だけです。
『雨乞いの小径』と名付けられた場所に付きました。
木々の間を小川が流れ、茶色い杉の落ち葉が敷き詰められていて、少し不思議な雰囲気のある場所です。
いつもなら、ハイキングに来ている方と出会うのですが、誰にも会いません。
今日は一人占めの旧登山道です。
そのまま山頂を目指します。
尾根を進んでいくと、急に賑やかな声が聞こえてきました。

イベントの広場へ

山頂付近の広場に出てきました。みなさん、ぞくぞくと集まっています。
会う人同士、新年のご挨拶をしていました。
『新春甘南備山初登り』、京田辺市民による京田辺市民の為のイベントです。
だから今日は、こちらで京田辺市の歌を歌います。
きよく~なが~れる~♪
今年も良いお正月を迎える事が出来ましたよ。
向かって左側は、京田辺市の上村市長です。市長も初登りです。
右側は、昭和34年の第一回目から参加されている、小林さん。
なんと92歳!杖も持たず、スタスタと登って来られました。

 とてもお元気ですね。秘訣は何でしょうか?
小林さん 人と話をする事かな?ありがたい事に色々な人が話しかけて来てくれる。これが長生きの秘訣やな。
 
お話を聞いている間も、本当に色々な方が小林さんに話しかけられていました。
携帯電話で気軽にコミュニケーションを取れる世の中ですが、こうやって直接顔を合わせてお話をすると言う事の大切さを改めて感じさせられました。

小林さん これは、何新聞の取材や?
 新聞では無いんですよ。携帯電話やパソコンで見る事の出来る記事の取材なんです。もし良かったら、お孫さんに聞いて見てくださいね(と、言いながら名刺を渡す)。
小林さん ああ、パソコンか!僕、パソコン分かるよ。キーボードは両手で打てるよ。

なんと!きっとそれも長生きの秘訣ですよ!
また、来年の初登りでお会いしましょうね。

雌山へ

広場の奥には鳥居があり、奥には神南備神社が建っています。
神南備神社の裏は、少し小高くなっていて甘南備山の頂上です。
神社に新年のご挨拶をして、旧登山道へと戻ります。
実は甘南備山、雄山と雌山(201.6m)があります。
先程ご紹介した、山頂や神南備神社のある方は雄山です。
尾根を戻り、大津越の近くから雌山に入って行きます。
あまり知られていない雌山。
雄山に比べると、低い木や花木が多く、日差しが穏やかに届きます。
今日は、いいお天気で誰も居ないのでのんびりと散策です。
穏やかなこの辺りに来ると、裏山に来たわぁとほのぼの。
雌山から、雄山の山頂を望みます。
『花木の森』に着きました。梅・桜・猿すべりが蕾を膨らませて春が来るのを待っていました。
ぐるりと回って来ると小高い丘になっていて、藤棚があります。
『花木の森』私も春が待ち遠しいです。

平安京へ思いを馳せる

登山道へ戻り、先へ進むと三角点があり、少し下に『白石』と呼ばれる岩があります。
この白石、太陽の光の反射で平安京を定める際の目印になったそうです。
残念ながら、白石には苔が付き、周りの木々が成長して景色が見えません。
時の流れを感じます。
『白石』の真上からの景色です。
ず~っと向う(二つ並んだ木の左側)に小さく京都タワーが見えます。
訪れた方は、是非この場所からスマホの地図で船岡山を見てみてください。
ぴったりと北を指しているはずです。昔の人の技術力に驚きですね!
きっと、PM2.5なんかの大気汚染が無くって、白石も真っ白だったら、
船岡山から、ピカピカと輝く白石が見えたんだろうな~っと、思いを馳せてしまいます。

帰路に就きました

お疲れ様。スーツの紳士が見送ってくれます。
柿の木の下では、案山子カップルがラブラブしていました。
お正月から精が出ますね。と思ったら、こちらも案山子でした。
『今は昔、竹取の翁といふ者ありけり』かぐや姫はどこかしら?
京田辺市は竹も有名でございます。

甘南備山、たった221mの小さなお山ですが、すばらしい眺望とたくさんの魅力の詰まった、素敵なお山です。
今回は、私の裏山目線でご紹介させて頂きましたが、ご紹介しきれないくらい四季折々の素敵な場所がまだまだあります。
古来より、地元の人々を見守ってきた甘南備山。
そんなお山に今日も癒されて、帰路に就くのでありました。

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中村 まなみ
投稿者紹介

中村 まなみ

大阪下町育ち、京都在住の元リケジョです。
好きな事は、からだ動かす事、知らない町をぶらぶらする事。スポーツは、ハンドボールが好きです!