高野山と熊野本宮大社を繋ぐ高野参詣道『小辺路』 過酷として知られる全長65キロ!しかし、その魅力は格別!!
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この記事の取材は、その時点の環境下で推奨されていた新型コロナウイルス感染症対策(マスク着用など)のもと実施しました。
『小辺路は高野山と熊野本宮大社を繋ぐ一番過酷とされている古道。高野参詣道は空海により開創され1200年が経ち、2004年に“紀伊山地の霊場と参詣道”が世界遺産に登録された日本が誇る歴史ある古道』
なんと!!!道の世界遺産というのは世界に3つしかありません。日本の“紀伊山地の霊場と参詣道”、フランスとスペインにある“サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路”と“イエスの生誕地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路”です。
歴史あふれる参詣道と過酷なルート!これは行かねば!!!新たな発見と体験が絶対あるに違いない!!という思いから、パラグアイ人ゴトスポ記者、幸坂歩がトレイルランニングで『小辺路』へ皆様をお連れいたしま〜す!!
なんと!!!道の世界遺産というのは世界に3つしかありません。日本の“紀伊山地の霊場と参詣道”、フランスとスペインにある“サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路”と“イエスの生誕地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路”です。
歴史あふれる参詣道と過酷なルート!これは行かねば!!!新たな発見と体験が絶対あるに違いない!!という思いから、パラグアイ人ゴトスポ記者、幸坂歩がトレイルランニングで『小辺路』へ皆様をお連れいたしま〜す!!
スタート当日!大雨(涙涙涙)!!!!!しかし!高野山に着くと雨が上がったー!!
9月上旬、ずっと来たいと思っていた小辺路へ来た。高野山と熊野本宮大社をつなぐ道。総距離約65キロ。途中には伯母子山(おばこだけ)をはじめとする標高1,000m以上の峠を三度も越える、熊野参詣道の中でも最も険しい道。色々な意味でチャレンジングな旅になりそうな予感(ちょっと不安+ワクワク)。スタート当日の朝、大雨でギリギリまで迷い、取り敢えず高野山まで電車で来た。朝7時、雨が止んだ!高野山には誰もいない。雨が上がり、湿った土の匂いと微かにお香の匂いが漂う。何とも言えない神秘的な空間。最高のスタート地点。きっと良い旅になるー!!
いよいよスタート!!雨上がりで誰もいない高野山!木々&土の湿った匂いとかすかに漂うお香の香りが最高!
案内に従い小辺路へ向かう。早速林道に入った。とっても静かな空間にお香の香りが漂う。林道はやや石混じりの土で、水捌けがよく先程までの大雨でもべたついていない。なんて走りやすい林道だ。
暫く進み高台に着いた!見事な青空!見渡す限りの山々!良い1日になりそうだ!延々と続く林道。おやっ!!赤い橋が出てきた。風景が変わると気分転換になって楽しい。
気分転換にゲームをする事にした。友人にスギとヒノキの見分け方を教わった事を思い出し、スギ、ヒノキあてゲームをする事に(笑)
淡々と走りながら、目に入ってくる木々を『スギ、ヒノキ、ヒノキ、スギ。。。』と言うゲームを暫く続ける。と、ここで、あれ?どの時点からか、スギと思っていた木はマツでは?と思い始めた(笑)
淡々と走りながら、目に入ってくる木々を『スギ、ヒノキ、ヒノキ、スギ。。。』と言うゲームを暫く続ける。と、ここで、あれ?どの時点からか、スギと思っていた木はマツでは?と思い始めた(笑)
今朝の雨が嘘かの様に真っ青な空!!!その空の下に広がる山々!!山の中を走ってくるからこそ見られる景色と感じられる空間がある!!
さて、大分進んだ!野迫川村への案内が出てきた。雨上がりの真っ青な空の下で朝日が当たる山とその延長線に鳥居!何て綺麗なのだろう。しんどそうなルートだけど来て良かった〜。最近よく思うが、山の中を走って来るからこそ見られる景色と感じる空間がある。何て贅沢な時間だろう〜。
どこまでも続く山々の景色の中に『クマ出没』の貼り紙!!斜面うえでなにやら“がさがさ。。”嘘でしょ!??
さて、鳥居の先に野迫川村の親切な案内と共に『危険!!クマ出没』とある。うーん、これはちょっと怖い。。
ふかふかした林道。とっても綺麗だが、やや登りで走るとしんどい!!さて、次の高台に着いた!やや曇ってきた。しかし、どこを見ても山!!進むにつれ、『危険!!クマ出没』の貼り紙がやたらと多い。本当に心配になって来た。林道へ入った。斜面上の方で何かガサガサ聞こえる。。『もしかして?。。。クマ??』ここで遭遇したら本当に逃げ場がない。。早く去ろう!!
林道に現れた神様!無事にゴールできます様に!!とお願いし、伯母子山を目指す!
クマとの遭遇を想像しながら走っていると林道に小さな神様がいた。膝の上に何か持っているが何だろう?無事にゴールできます様に!!!とお願いする。暫く進むと長―い林道に入った。萱小屋跡に着いた。案内標識の下に『小屋の裏にお水あります』と手書きである。自動販売機やトイレが殆ど無いこの様なルートではこういった情報は凄く有難い!!どうやら、この小屋、休憩所になっている様だ。
山道が崩れている!?そうだ!ここ那智勝浦は丁度10年前に『紀伊半島大水害』が起きたところだ。。
土砂崩れで落ちて来たのか、大きな岩が沢山ある。石が多い山道だ。下り道では、自分で蹴り上げてしまった石が後から転がってきて、セルフ・インディージョンズ状態になる。大変だー!石に抜かれない様に必死に走るー!!
あれ?山道が崩れている??斜面が滑り落ちて来た様だ!本来あったと思われる階段がやや見えるが。。さて、どうしたものか。。迂回ルートは無く、選択手段は山を進み越えるか、来た道を戻るか。。どちらを選択してもなかなかの距離。斜面の根っこを使って渡る事に。ここで思い出す。そう言えば、『紀伊半島大水害』が起きたのが丁度10年ほど前の9月4日だ。よく見ると山の彼方此方で斜面が崩れた爪痕が残っている。大自然が見せる美しく偉大な面と容赦無く与える災害。熊野の人々にとって、この綺麗で偉大な大自然は大切な人の命を奪ったものでもある。心底自然を楽しむ事はできないだろうな。。。と思うと、複雑な気持ちだ。今回の小辺路は、新たな視点から自然を感じる旅になりそうだ。
あれ?山道が崩れている??斜面が滑り落ちて来た様だ!本来あったと思われる階段がやや見えるが。。さて、どうしたものか。。迂回ルートは無く、選択手段は山を進み越えるか、来た道を戻るか。。どちらを選択してもなかなかの距離。斜面の根っこを使って渡る事に。ここで思い出す。そう言えば、『紀伊半島大水害』が起きたのが丁度10年ほど前の9月4日だ。よく見ると山の彼方此方で斜面が崩れた爪痕が残っている。大自然が見せる美しく偉大な面と容赦無く与える災害。熊野の人々にとって、この綺麗で偉大な大自然は大切な人の命を奪ったものでもある。心底自然を楽しむ事はできないだろうな。。。と思うと、複雑な気持ちだ。今回の小辺路は、新たな視点から自然を感じる旅になりそうだ。
突如土砂降りー!!!!避難しておやつにしよう〜!雨で湿った山や土の匂いはホッとする!! 雨音を聴きながらのおやつ!!小さな幸せを感じるひと時!
三浦口に着いた。と、ここで急に土砂降り!おやつを食べて雨宿りしよう!山の雨は匂いが独特。植物や土の湿った匂いがする。故郷を思い出す懐かしい匂い。小さな幸せを感じる時間だ!空を見上げると、厚い雲に覆われている。。
幸せな時間!しかし、ここは山の中。。。降り続ける雨。。電話の電波が全く繋がらない。。。
この状況で次の山に行くのは危険だな。。今日は三浦口で一泊しよう。三浦口には宿泊できる宿が少ない(主に民泊で2〜3軒)。もしものために、熊野観光協会の方が手配してくれた宿に泊まる事にした。が、ここで気づく。。携帯電話の電波が全く入らない!!!宿の方に電話も出来ない状態!取り敢えず、登山アプリを頼りに宿に着いた!携帯電話はただの目覚ましとなってしまった(涙)
翌朝!熊野本宮大社を目指して出発〜!!!早朝の山は霧がかかっていてとても神秘的!
さて、翌朝7時スタート。やや曇っている。暫く舗装路を登り、山に入った。吊り橋が出てきた。しっかりした作りで揺れはしないが、足元が網状になっているため真下が丸見えでちょっと怖い。暫く進むと本格的に山道になって来た。苔で覆われた石階段が出てきた。
霧がかっている林道に入った。立ち止まって、両手を広げ、目を閉じ、ゆっくり深呼吸。無音になった!早朝で空気が澄んでいてとっても気持ちがいい!暫く進むと、土砂崩れの爪痕がここにもあった。しかし。。凄く急な斜面だ。木が生えていないのは土砂崩れが起きた証拠。。
少し進むと開けたところに出た。霧がかった山々は何とも美しい!山々の谷に集落が見えた。こんなにも大きな山々の斜面が崩れたら途轍もない被害だろうな。。と、ここでも山道が崩れている。この土砂崩れは事前に知りようが無い。ギリギリの体力で来ては絶対にダメだなと改めて感じた。
山の中は山以外にも魅力が沢山!見た事がない様な植物にも出会える!!
さーて、大分進み、走りやすい林道に入った。ん??これは何だ?あっ!真っ白なキノコだ!山の中では主な色は茶色か緑のため、違う色のものを見ると嬉しくなる!おっ!少し先には、赤いキノコ!中は黄色!?まるでサツマイモだ〜!何方かに味見をされた様だ(笑)が不味かったのかな。。齧りかけ!
さらに進むと、とっても走り心地がいい林道!!空気が澄んでいてひんやり、とっても気持ちが良い!
熊野本宮大社に着いた〜!!!!!65キロぶりに文明に戻ってきてホッとする瞬間(笑)!!
一気に進み、吊り橋を渡り、舗装路を走り、十津川村を過ぎ、やっと熊野本宮大社に着いた!まずは、無事ゴールできた事を感謝しに行こう!のぼりが沢山立っている階段。暫く木階段と苔だらけの石階段しか見ていなかったせいか、文明を感じられてちょっとホッとする。文明から離れたくて山に入るのに下山して文明を感じるとホッとする。人間とは何とも気まぐれな。。
本宮大社には日本一大きい鳥居が田畑の真ん中に!!!その迫力に圧倒される!!
熊野本宮大社から徒歩10分のところには田畑の真ん中に聳え立つ巨大な鳥居があった。『日本一大きい鳥居』だそうだ。とってもダイナミックで、薄緑色の田畑の中にあるのが凄く良い!おっ!!バス停前の広場で面白いものを見つけた!『日本スペイン交流400年記念』と書いてある。道で世界遺産に登録されている世界でたった3つの古道のうちの2つ、紀伊山地の霊場・参詣道(熊野古道と高野参詣道)とスペインのSantiago de Compostela(サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路)の姉妹道提携の記念碑だ。
本宮大社を後にし、十津川温泉へ〜!!十津川温泉街の景色は息を呑むほど美しい!!まさかこんな景色が見られるとは!!日本にいて良かった〜!
さて、熊野本宮大社を後にして、十津川温泉街まで行こう〜!また山道を戻り、十津川に着いた!真っ赤な橋がかかっている先で2色の緑色の川が合流している。何て綺麗なのだろう!温泉に浸かりながら、両親が来日したら一緒に来たいなと思った。今日はここで一泊する事に。
この土地の地形、文化と歴史が作り上げた熊野古道『小辺路』!色々な意味で学びと感動が多い旅でした!本当に来て良かった!!また必ず来よう!!!
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ワールドマスターズゲームズ
2021関西の競技
投稿者紹介
幸坂 歩
南米パラグアイ産まれ、パラグアイ育ち、日本へ留学して8年になります。普段は研究職をしています。プライベートではボランティア活動(主に翻訳・通訳や文化紹介など)が大好きで、ゴトスポもマスターズゲームの通訳ボランティアでの参加を希望していたところご縁がありました。自然が大好き!特に植物と山が好きです。1年ほど前からトレイルランニングにハマっています!