阪本 政春 さん
団体競技には、仲間と一緒に一喜一憂できる楽しさがある
奈良県橿原市の橿原運動公園で開催された、平成28年度「長寿と健康の祭典」奈良県高齢者スポーツ文化交流大会「ならシニア元気フェスタ」のソフトボール大会に参加した阪本さん。県内屈指の速球投手として名を馳せる阪本さんに、団体競技の魅力と人生を謳歌する秘訣を伺った。
投打にわたる活躍で優勝!
緑豊かな橿原運動公園ソフトボール場、この日の最高気温は25度。初夏の陽射しを一身に、阪本さん擁するオール上牧が躍動した。相手は強豪・奈良フェローズSBC。準決勝で4回2失点完投勝利(70分特別ルール)直後のエース右腕は、この日2試合連続の先発登板。試合は初回1死三塁から犠飛で1点を先制される厳しい展開。だが、2回に阪本さん自ら左中間を深々と破る2点二塁打で逆転に成功。その後は打たせて取る省エネ投球で4回1失点完投勝利。チームを6-1逆転優勝に導いた阪本さんは「皆で明るく元気に楽しむことをモットーに、チームワークを活かして一戦一戦真剣に勝利を目指しています。為せば成る。目指すは日本一」と胸を張った。
転機を逃さず、人生を謳歌
奈良盆地の西南端に位置する御所市で自然に囲まれて育った。中学、高校では陸上部に所属し、三種競技、五種競技に没頭。高校卒業後は製造業に就いた。「当時は中学、高校を卒業したら就職することが当たり前の時代でしたからね」。そんな阪本さんに入社3年目の夏、転機が訪れた。通勤電車内で偶然、教員を目指し大学に通う旧友に出会った。「職場にも恵まれていましたが、その彼が輝いて見えてね。私も絶対に教員になるとライバル心に火が付きました」。通勤電車で勉強し、1年半後に見事志望校に合格した。卒業後、中学校の保健体育教員として「命を大切にする人になれよ」と諭しながら、思春期の難しい年頃の生徒に向き合った。40歳を過ぎた頃にソフトボールと出会い、「ミスしてもお互い励まし合って前に進める」団体競技の魅力に触れた。大会を通じ、チームで全国各地を巡ることも楽しみの一つ。「半分は観光気分ですよ。ただ、皆で色んな土地に行きたい思いも勝利へのモチベーションになっています。団体競技を通じて積極的に人と関わることが若さの秘訣であり、人生をより楽しむことができます。同年代から、若く見られますよ」と阪本さんは笑顔で語った。
阪本さんに聞く
健康の秘訣は?
競技を通じて当面の目標は?
阪本
上牧町は約2万3000人の小さな町ですが、ソフトボールで日本一を目指したいですね。行政を中心に周囲からサポートしていただいていますし、奈良県内の仲間と全国優勝を果たしたいですね。
ワールドマスターズゲームズ2021関西について一言
阪本
大会のことは監督さんを中心にチーム内で話し合います。ぜひ参加してみたい気持ちもありますので、チーム全体で「よしやろう」となればいいですね。スポーツを通じて私達もイキイキと人生を楽しみながら過ごしたいですね。スポーツ文化が定着し、健康寿命が延びるような土壌が、地元に根付いてくれることを願います。
取材こぼれ話
平均年齢66歳のチームは休憩中、木陰で仲間と談笑していた。激動の時代を駆け抜け定年まで勤め上げた〝猛者〟が、各々をリスペクトしながら白い歯を見せる。職場を離れ、役職や利害関係の絡まない関係は、学生時代の友人との接し方に似ていた。持病のあるメンバーも、お互いを励まし合い、笑いながら仲間との時間を楽しんでいる。「上牧町をソフトボールの町に!」の合言葉で結束するメンバーの想いは、甲子園を目指す高校球児のように純粋だった。
教員を退職してから、お肉や油ものを食べる量が1/3ほどになりましたね。最近は野菜を積極的に摂るようにしていますよ。